OwaiKnight FM | Interview Baton #15
仏像彫刻師 “”杉田 浩庸”
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仏教の象徴とも言える仏像を、1つの木から彫り上げ続けている仏像彫刻師 “杉田 浩庸”さん。ぼくのような全くの初心者でも分かりやすく、宗教観ではなく芸術品としての仏像の魅力や、もっと面白くなる鑑賞ポイントを教えてくれた。
■仏の像を生み出す仏像彫刻師
主に仏像彫刻を行いつつ、彫刻教室にて彫刻を教えたり、古美術品の修理の他、インドネシアの伝統芸能ワヤン実演など、千手観音のようにマルチな顔を持つ杉田さん。 仏像の製作依頼はお寺からの他、個人からの注文も受けている。保育園から仏像に興味を持ち彫っていたと教えてくれた。その後、美術系大学を卒業し、彫刻師として仏像だけではなくキリスト像であったり宗教の枠組みにとらわれる事なく、日々活躍している。
事前に顔は知らされていなかったため、インタビュー前に抱いていたイメージは、厳格な雰囲気と厳しそうな顔つき。そんなイメージを抱きながら杉田さんのアトリエに向かった。近づくにつれ、緊張度合が高まる。穏やかで過ごし易い陽気だったにも関わらず、ぼくの額からは汗が流れ落ちていた。
しかし、実際にお会いすると、イメージとは真逆な雰囲気。話口調はとても穏やかで物腰も低い。やわらかく優しい仏のようなオーラを放つ方だった。
■『 儀軌(ぎき) 』を重要視し、『印(いん)』 を知る
仏像をそれっぽい形で彫るのではなく、『儀軌 』を守り、『印』に則って彫り上げる。 儀軌 と印を無視して彫り上げても、それは仏像ではなく、ただのオブジェのような置物となってしまうと杉田さんは教えてくれた。
儀軌と 印 について調べてみると、以下の内容だった。
儀軌とは「密教で、仏・菩薩(ぼさつ)・諸天などを念誦(ねんじゅ)・供養する方法や規則。また、それらを記した典籍 。」
コトバンク(https://kotobank.jp/word/%E5%84%80%E8%BB%8C-50088)
印とは「大きく分けて合掌印、定印、拳印に分けられる。印を結ぶことによって仏との一体化を目指す。」
Discover Japan(https://discoverjapan-web.com/article/31070)
調べた内容なので正しいはずと思いこみ、そのまま掲載しようした。記事の内容を確認してもらうため、杉田さんに連絡した所、より分かり分かりやすく丁寧に教えてくれた。
儀軌は仏の特徴と決まり。つまり、やや語弊があるがキャラクターを位置づけるアイテム。また、印は無数にあり、先に記載した3つのカテゴリーには分ける事ができない修行した者だけが教えてもらえる特別なこと。なので、ぼくみたいな浅はかな知識だけでは語れない内容だ。漫画「NARUTO -ナルト-」では印に則って描かれている部分もあるようなので、是非ともチェックしてほしい。
間違いを恐れず、杉田さんが教えてくれた言葉をぼくなりの解釈でざっくり言うなれば、 儀軌はマニュアル、 印は親密になるための方法。
例えば、好きな異性やお客だったり相手と繋がるためには、まずは挨拶。挨拶の方法を知らなければ、接点を持つことも難しい。その挨拶の仕方や方法を教えてくれるのが 儀軌 であり、挨拶をしてからの先、つまり仲良くなれる教えが印。教科書を読んだだけでは、実践で実行できるかと言えばほぼ不可能だと思う。仮にできたとしても、それは真似ただけであり、本質を理解してできたとは言い難い。
だからこそ、理解を深めながら練習や訓練をする。失敗しても、できるまで何度も何度も繰り返すことで、外面的だけではなく内面的な意味まで深く理解することができ、より本物に近づくことができる。それは、印も同じで、学ぶためには先生なり師匠の教えを少しでも吸収するため、自分なりに創意工夫しながら学ぶ。その経験はいつしか自分だけの財産となる。「本物を超えるのは本物だけ」かもしれないが、近づくことはできる。「限りなくの近づき」が、いつしか自分だけのオリジナルとなり、目指していた本物と同じ目線で物事を見ることができるかもしれない。
■ 顔だけで判断しないで!仏像の魅力
物事の本質は、全体を見て初めて分かる。仏像を見る際、まず顔を見て、次にその仏像に関する解説ボードを見て、次に行くといった鑑賞方法でも良いのだが、それでは、仏像本来の良さを感じ取ることは難しい。ぼく自身の記憶力にも問題があるのだが、日数の割に巡る場所が多い修学旅行で行った京都の寺巡りでは、前の日に行った見た仏像はおろか、ついさっきみた仏像ですら記憶に残らなかった。
「仏像を見る時は顔だけではなく、一歩後ろにさがって全体を見て欲しい」と杉田さんは教えてくれた。
仏像を構成するものそれぞれに意味がある。また、仏像によってはお堂とも一体に構成されている場所もある。10円玉に刻まれている平等院鳳凰堂のような場所は、お堂と池の配置、仏像そのほか全てがバランスよく構成されており、お堂と仏像が調和していることで敷地内に入った瞬間にワクワク感を得られるような演出をしていると教えてくれた。
■ お寺は古来からの日本のテーマパーク
「お寺」と聞いて、あなたはどんなイメージを持っているだろうか?
ぼくは「厳粛で厳かな場所」、「気軽に近寄りがたい場所 」と言った、楽しいとは真逆のイメージを持っていた。しかし、全てがぼくが抱くイメージのお寺ばかりではない事を杉田さんの話を伺えたことで知ることができた。
例えば、東京都浅草の浅草寺(https://www.senso-ji.jp/guide/guide03.html)。風神・雷神が守護する風雷神門は「雷門」と書いてある大きな赤い提灯が印象的な門だ。遠くからでも見える門は、目に飛び込んできた時から、ワクワク感が湧きだしてくる。門の前で写真を撮って、2体の守護像の迫力に魅了され、提灯の下の彫り物に感動しつつ門を潜ると、本堂に通ずる真っすぐな道「仲見世通り」に出る。両脇には、甘味屋やお土産屋などがいくつも立ち並び、楽しさを一層引き立ててくれる。
人通り賑やかな仲見世通りを抜けると宝蔵門にたどり着く。左に呵形像、右に吽形像の仁王像。ここまでくると、興奮は最高潮に達する。門を潜ると開けた視界と共に目に飛び込んでくる大きな本堂「観音堂」。お参りをサクッと済ませ、仲見世通りの散策を再開といった具合なるかと思う。
「雷門から本堂でのお参り」まで全体を通して見ても、厳粛で厳かな要素は一切ない。むしろ、某有名テーマパークに来た間隔と似ている。入口ゲートは雷門、アトラクションの入り口が宝蔵門。テーマパークの中央にそびえ立つ大きなシンボル的お城は本堂。と、いったように、お寺は誰しもが楽しめる日本古来からあるテーマパークのような場所だ。
また、テーマパークのマスコットを顔や説明書きだけでなく、全体を見て判断するかと思う。そのキャラクターの特徴的な部分であったり、着ている服や履いている靴。どの要素もそのキャラクターを構成するためには大事なアイテムであり、仮に似せて作ったとしても、それは偽物でしかなく、本物を知る人からは見向きもされない。ただ、誤解しないでほしいのだが「本物こそが全て」なのではなく、大事なのは本物から学ぶことであり、その学びこそが自分だけにしか作り出せない、新たな本物を生み出せる。
知っているようで知らなかった仏像の世界。どんなものごとに対しても、深く突き詰めていけばいくほど、面白味が湧きだしてくると改めて実感することができた。
無知に近い状態でインタビューさせて頂いたにも関わらず、1つ1つ丁寧に分かりやすい言葉で説明してくれた杉田さんに深く感謝したい。
PodCast(ラジオ配信)ではさらに詳しく、「仏像彫刻師 杉田さん」がリアルに分かりやすい言葉でお寺や仏像の魅力など、知れば知るほど面白くなる仏像の世界を聴くことができる。また、インドネシアの伝統芸能「ワヤン」の上演内容のお知らせなど、異文化を知れるチャンスが満載となっている。
動画は杉田さんが以前上演したトルコのサズと合わせたもの。本来のガムランと合わせる形ではないが、2022年春頃に予定している上演は2部構成となっており、後半は動画の様なスタイル。上演日程などの詳細は杉田さんのフェイスブックにて告知される予定なので、是非!チェックしてほしい。
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